施設の母に 終 「母の旅だち」
涌谷町の今年の桜は、雨や風にも耐え、
いつになく花もちがよく、満開の時期が
長かったような気がします。
(写真は涌谷城址の桜です)
咲き乱れています。
この春爛漫の4月15日、90歳になる
母は、黄泉の国へと旅立っていきました。
母は、5年前からパーキンソン病を患い、
ここ1年ほど前からは、飲食することも、しゃべることも、
寝返りをすることもできなくなってしまいました。
食事は、胃に穴をあけてチューブで流し込む
「胃ろう」になりました。
母は認知と聴覚だけは衰えなかったので、
私たちの問いかけには、わずかな首振りとまぶたの
開閉で応えてくれました。
何の変化もなく、同じ姿勢で、じっと白い天井を見て
いるだけの一日一日は、どんなに長く、辛く感じたことか
察してあまりあります。
それを見ている私たちも、本当に辛く、切なかったです。
14日、意識不明になってはいましたが、せめて庭の
満開の桜の香りを届けようと母のもとへ向かいました。
でも、それは叶えられませんでした。
今頃はお棺に入れた桜と桜の写真、庭の花々で、天国の
父と二人、花見をしていることと思います。
4月15日の早朝、西行法師の桜の和歌についてブログに
書きましたが、奇しくもそれから数時間たって、満開に咲く
桜のもとに亡くなり、花好きだった母らしい逝き方だったと
思います。
週に、1、2回行っていた私の施設通いもついに終わりに
なってしまい、「施設の母に」のタイトルで書いていたブログも
終了となりました。さびしい限りです。
西行の歌
願わくは、桜の下にて春死なん
その如月の望月のころ
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